変態アニメイベントは本当に変態だけどキモ切なかった
*イラストがちょっと怖いので苦手な方は注意です。
以前、当ブログの
「山口の温泉街、老舗旅館で夜な夜な開かれる謎のショーに潜入!」http://ptart.exblog.jp/20464567/
でもすこし触れた、山口県山口市のYCAM(ワイカム・山口情報芸術センター)で華々しく開かれている10周年記念祭。
記念祭のアーティスティック・ディレクターの坂本龍一さんやヤン富田さんたちが出演されたライブもあったのだが、なぜか今も私の心をとらえて離さないのが
【変態アニメーションナイト】
という謎のイベント。
ひぃぃぃぃぃーー!!
という声が聞こえてきそうな、チラシのイラストも穏やかではない…
「見たら一生忘れることのできない、強烈なアニメーション作品が一挙集結」!「世界各国の〈変態〉的なアニメーション作品計13点」をオールナイトで上映!
と、公式サイトには早くも危険な香りが漂っている。紹介文では「変態」とは「姿形を変容させる」という意であるとさりげなく強調しているが、YCAMは山口市の施設なのに、堂々と変態なんていって大丈夫なのか?!
でもオールナイト上映って、県外から来ている者にとっては宿を取らなくていいから便利!
と、打算と不安の入り混じる中、正直そんなに期待せず足を踏み入れた。
すると始まった、次から次にめくるめくシュールな世界!謎!気持ち悪い!意味不明!
でもなんともツボを刺激してきて声を出して笑ってしまう!
アニメーション作家と評論家のMCが作品の後にコメントを挟んでくれるので若干衝撃を和らげてくれる・笑
どれも数分から数十分の短い作品だが、かわいいキャラクターがでてきて牧歌的なストーリーが展開するというアニメーションのイメージを斜め上に裏切りぶっ飛んでいるものばかり。
たとえばこれとか(ほんとうにキモいので注意)
http://youtu.be/jaS_S5Gt7L0
BOBBY YEAH - TRAILER
気持ち悪いし全然かわいくないのに、謎すぎるキャラクターや設定、展開に、怖いもの見たさからかなぜか引き込まれているうちに、感情移入してだんだんかわいく見えてくるという…!
そしてほかの作品でも、社会風刺をさりげなくするものや、キモいキャラクターなのに切ないヒューマンストーリーという、MC曰く「キモ切ない」(!)ものなど、幅広い表現に溢れていた。
作家を追ったドキュメンタリーでは、作家が人形を動かす様子が、まるでおもちゃで遊ぶ子供のように楽しそうだった。
しかし、突飛な発想も、アニメーションとして見せるには相当な努力や技術が払われている。
コマ撮りで小さな人形の動きを表現するために、すこしずつ形をかえた膨大な数の人形を作るなど、まさに気の遠くなるような職人芸。また、ゲストで来場したイギリスの作家、ピーター・ミラードは、描いている絵は子供の落書きのようなものなのだが、アニメーションにするため膨大な量の枚数を手描きしている。
自在に形を変え変態するものたち、それは作家たちの頭の中そのもの。そんなシュールな妄想を表現しようとする狂人的な変態さの裏には、子供のような純粋な心と努力があるのだと感動した。変態万歳!
ところでこの上映会、MCを務める水江未来さん、土居伸彰さんたちがつくるインディペンデントレーベル、プロダクションのCALFが各地で主宰している。アニメーションは評価が高くてもなかなか一般的に見られるチャンスがないため、このような団体を立ち上げ、販売や上映会で広く知ってもらおうと活動されている。確かに、近年日本のアニメーション業界は国際的に高いレベルでありながら、実際制作に取り組む人たちの待遇が大変悪いとして問題にもなっている。
今回のようにキモくて大衆ウケしないような作品を、社会の流行にも媚びずになびかずに、せっせと独自の世界観に没頭して作り続ける……そんな彼らがのびのびと活動できるよう願いながら、敬意と愛を込めて変態!と呼びたいと思う。
ていうかこのブログもすでに変態を連発していてあやしい業者なんかに引っかかったらどうしよう!
以前、当ブログの
「山口の温泉街、老舗旅館で夜な夜な開かれる謎のショーに潜入!」http://ptart.exblog.jp/20464567/
でもすこし触れた、山口県山口市のYCAM(ワイカム・山口情報芸術センター)で華々しく開かれている10周年記念祭。
記念祭のアーティスティック・ディレクターの坂本龍一さんやヤン富田さんたちが出演されたライブもあったのだが、なぜか今も私の心をとらえて離さないのが
【変態アニメーションナイト】
という謎のイベント。
ひぃぃぃぃぃーー!!
という声が聞こえてきそうな、チラシのイラストも穏やかではない…
「見たら一生忘れることのできない、強烈なアニメーション作品が一挙集結」!「世界各国の〈変態〉的なアニメーション作品計13点」をオールナイトで上映!
と、公式サイトには早くも危険な香りが漂っている。紹介文では「変態」とは「姿形を変容させる」という意であるとさりげなく強調しているが、YCAMは山口市の施設なのに、堂々と変態なんていって大丈夫なのか?!
でもオールナイト上映って、県外から来ている者にとっては宿を取らなくていいから便利!
と、打算と不安の入り混じる中、正直そんなに期待せず足を踏み入れた。
すると始まった、次から次にめくるめくシュールな世界!謎!気持ち悪い!意味不明!
でもなんともツボを刺激してきて声を出して笑ってしまう!
アニメーション作家と評論家のMCが作品の後にコメントを挟んでくれるので若干衝撃を和らげてくれる・笑
どれも数分から数十分の短い作品だが、かわいいキャラクターがでてきて牧歌的なストーリーが展開するというアニメーションのイメージを斜め上に裏切りぶっ飛んでいるものばかり。
たとえばこれとか(ほんとうにキモいので注意)
http://youtu.be/jaS_S5Gt7L0
BOBBY YEAH - TRAILER
気持ち悪いし全然かわいくないのに、謎すぎるキャラクターや設定、展開に、怖いもの見たさからかなぜか引き込まれているうちに、感情移入してだんだんかわいく見えてくるという…!
そしてほかの作品でも、社会風刺をさりげなくするものや、キモいキャラクターなのに切ないヒューマンストーリーという、MC曰く「キモ切ない」(!)ものなど、幅広い表現に溢れていた。
作家を追ったドキュメンタリーでは、作家が人形を動かす様子が、まるでおもちゃで遊ぶ子供のように楽しそうだった。
しかし、突飛な発想も、アニメーションとして見せるには相当な努力や技術が払われている。
コマ撮りで小さな人形の動きを表現するために、すこしずつ形をかえた膨大な数の人形を作るなど、まさに気の遠くなるような職人芸。また、ゲストで来場したイギリスの作家、ピーター・ミラードは、描いている絵は子供の落書きのようなものなのだが、アニメーションにするため膨大な量の枚数を手描きしている。
自在に形を変え変態するものたち、それは作家たちの頭の中そのもの。そんなシュールな妄想を表現しようとする狂人的な変態さの裏には、子供のような純粋な心と努力があるのだと感動した。変態万歳!
ところでこの上映会、MCを務める水江未来さん、土居伸彰さんたちがつくるインディペンデントレーベル、プロダクションのCALFが各地で主宰している。アニメーションは評価が高くてもなかなか一般的に見られるチャンスがないため、このような団体を立ち上げ、販売や上映会で広く知ってもらおうと活動されている。確かに、近年日本のアニメーション業界は国際的に高いレベルでありながら、実際制作に取り組む人たちの待遇が大変悪いとして問題にもなっている。
今回のようにキモくて大衆ウケしないような作品を、社会の流行にも媚びずになびかずに、せっせと独自の世界観に没頭して作り続ける……そんな彼らがのびのびと活動できるよう願いながら、敬意と愛を込めて変態!と呼びたいと思う。
ていうかこのブログもすでに変態を連発していてあやしい業者なんかに引っかかったらどうしよう!
by parttimeart
| 2013-08-04 16:17
アート専門家ではないふつうの人(会社員、福岡在住)が愛と情熱だけでアート、カルチャー情報を発信するメディアです。facebookではブログにはない情報をリアルタイムで更新中☆http://www.facebook.com/parttimrart
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