P.T.A―Part Time Art ふつうの人が発信するアートカルチャーマガジン―

頑張れ大学生!商店街で開かれる謎の「論文執筆ライブ」とは!?

「なんだこれw」

ディスプレイをみて、思わずつっこみました。

『小倉・旦過市場の「大學堂」(北九州市小倉北区魚町4)で11月20日から、施設を運営する学生らの「学位請求論文執筆ライブ」が始まった。
c0309568_1115827.jpg

 北九州市立大学文学部人間関係学科などに所属する学生らが「市場の店主や来場客らとの交流を通じて社会生活の実験の場」として運営する同施設。(中略)施設運営と論文執筆を両立させるための苦肉の策として出たアイデアが「合宿形式で論文に挑む」というもの。「市場の来場客がオーディエンス」といい、「見られることでペンも走るし、意外と集中もできる」(卒論執筆中の東亜紀さん)。差し入れや激励は「大歓迎」とも。(中略)開催時間は10時~17時。12月20日まで』


(2013年11月28日 小倉経済新聞http://kokura.keizai.biz/headline/769/ より引用)

大學堂ブログによると、本当でした(笑)

「このたび北九州市旦過市場の大學堂にて、学位請求論文執筆公開ライブをとりおこなうこととなりました。年末の旦過市場で7名の学生が12月の間、合宿をおこない、論文執筆にいそしみます。
 つきましては、近隣の方には差し入れを、遠方の方には応援の一票と温かいコメントをお願いします。オンライン投票箱はこちらです。(中略)
応援いただいた方には、もれなく書き上げた論文を謹呈いたします(論文は2月3日以降、配布可能となります。ただし落馬の場合はご容赦ください)」
c0309568_1115974.jpg


落馬(笑)

この大學堂 http://www.daigakudo.net/は小倉駅にほど近い旦過市場の中にあり、

2008年に北九州市の助成などで商店街と大学が連携して作られた、学生が常駐するコミュニティスペースです。

c0309568_1120100.jpg

写真はブログより
実は私も2010年に行って、その時は学生が考案した「大學丼」というのを頂いたことがあります。

どんぶりに白ご飯を購入し、商店街のお店を回りながらおかずを探して、オリジナルどんぶりを食べるというもの。

最近も

☆受験生を応援する「合格イモ」の焼き芋を販売。購入すると教授が受験生への応援メッセージを書いた「合格の黄色いお守り」がもらえて、さらにお守りを大學堂に持って行くと、学生から勉強のコツなどを教えてもらえる!(実施中・去年もやっていたみたいです)
☆将棋が趣味の女子大生が将棋を指す縁台と将棋盤を用意し、訪れた人たちと勝負(2013年6月)

などなど面白い企画が(笑)

しかしこの大學堂、調べてみると、とってもまじめに運営されていることが分かって感動しました!!!

はじまりは、1996年に北九州市立大に赴任した人類学者の竹川大介教授が、地域の人々の生活に根付いた旦過市場に独自の魅力を見いだし、2005年に市場との共同講座を行うなど、協働関係を築いてきたそうです。

2008年に作成された大學堂の歩みをつづった報告書で、竹川教授は大學堂のプロジェクトについて

「衰退した市場の再生ありきではなく、市場の魅力にとりつかれた人々が、その可能性に期待してうまれたプロジェクトである。
それは決して後ろ向きではなく、むしろ前向きで戦略的な構想であった大學堂の役割は、支援でも再生でも街づくりでもない。わたしたち自身が当事者になり、当たり前の日常風景を、異文化研究を専門とする人類学の知見を利用して、どう見立てなおすかのかというものであった」


と振り返られています。

商店街内の昭和的な雰囲気に合わせて、昭和の建築をイメージして学生や大工さんの手で改装、2008年、オープンにこぎつけます。

学生が店主として常駐し、商店街の利用形態を探るため商店街の常連さんへのインタビュー調査、商店街を紹介するマップの作成、ライブやパフォーマンス開催など、さまざまなフィールドワークを続けています。

ちなみに先に挙げた「大學丼」も、学生さんがうなぎを食べようとして、白ご飯がほしくなったときに、商店街でメニューにはないご飯だけを分けてくれるお店を教えてもらった経験から生まれたそうです。
商店街を舞台にした、そんな日常のコミュニケーションから、企画は生まれていきます。
ちなみに大學丼を紹介するチラシも日英中韓、台湾バージョンで作成するあたりさすがです。

こういう商店街の空き店舗などをリノベーションして学生やアーティストが入って盛り上げようというような例は各地で珍しくないのですが、
大學堂がすごいのは、竹川教授の言葉の通り、商店街をマイナスなものとしてではなく、そのポテンシャルや魅力を高く評価していること、
活性化や活用に向けて学問的に実践と研究を両立していること、
学生が入れ替わっても長年にわたり継続して活動をキープしていること
だと思います。

論文執筆ライブ、謎すぎる企画だと思ったのですが、堂々と差し入れをねだれるのも、地域に溶け込んでいる証拠!
こういう背景を知ると応援したくなりますね!!
[PR]



by parttimeart | 2013-12-02 23:08 | レポート

アート専門家ではないふつうの人(会社員、福岡在住)が愛と情熱だけでアート、カルチャー情報を発信するメディアです。facebookではブログにはない情報をリアルタイムで更新中☆http://www.facebook.com/parttimrart
by parttimeart
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新のトラックバック

検索

タグ

ブログパーツ

外部リンク

ファン

ブログジャンル

画像一覧