P.T.A―Part Time Art ふつうの人が発信するアートカルチャーマガジン―

映画「チョコレートドーナツ」はとってもビターでしたがせひ観てもらいたい!!

「ゲイカップルが親に捨てられた障害児を引き取りながら社会の差別や偏見と闘う」ーー。
ストーリー設定を聞いたときから、間違いなくこれはいいだろう、逆にヒューマニックすぎるのではとむしろ観るのをためらっていた映画「チョコレートドーナツ」。


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悲劇でありながら安っぽいメロドラマにならずに表現にもうまく抑制がきいていて、個人の物語でありながら俯瞰した社会的な視点が根底にあることに好感が持てました。

NY、ブルックリンでの実話が基になっているそうですが、自由といわれるアメリカで70年代までゲイカップルがあんなに差別されていたのに驚きました。とはいっても、キング牧師の演説も63年のこと。女性の人権だって平等という扱いになったのは(表面上ですら)ごく最近です。思えば人間が自由を勝ち取る歩みは本当に長く厳しいもので、いま当たり前のようにある権利はごく最近やっと、先人たちの闘いの上に得ているのだと実感しました。そしてまだそれを享受できるのは、ごく限られた恵まれた層なのだということも。

正直、私はストレートなので、ゲイの方たちの関係のありかた(と一概にくくれないとは思いますが)はよくわからないのですが、映画のふたりを観ていると、特に主人公のドラァグクイーンであるルディが性別を超えて魅力的でかわいらしく、人間同士が惹かれあうことに性別がどちらかは関係ないなと思わせてくれます。性的嗜好に限らず、「自分と違うから、よくわからないから排除しよう」とするのではなく、「みんな違い、わからないけれどもわかりたいし尊重したい」という、他者を受け容れる心の余裕を持ちたいなと自戒しました。(もちろんそれは簡単なことではありません)

このように、児童虐待や性的マイノリティや障害者への差別など、映画で提起されている問題は映画から40年経った現代、残念ながらさらに深刻さを増しているように見えます。「ありのまま」という言葉は流行っているのに、社会は他人の批判を恐れて寛容さをなくし、公共の名の下に多数決で人権を制限して、ますます窮屈になっているように感じます。

一人ひとりの信念や存在が尊重され、いろんな形の幸せが認められる多様で寛容な社会を作りたいと願います(いち構成員として)。
日々不安なニュースのたえない今こそ、ぜひ多くの方に観てもらいたい作品です。


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余談ですが、福岡のKBCシネマのトイレのサインは映画モチーフになっているのに今更気づきました。さすが映画愛を感じます。



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by parttimeart | 2014-07-03 00:03 | Movie

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