P.T.A―Part Time Art ふつうの人が発信するアートカルチャーマガジン―

雑誌「NO!」ブックレビューその2・「アーティストとは考える人であり『生きる』人」

〜隔月発行の九州の若者向けマガジン「NO!」で連載中のブックレビューを再録しています〜

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じぶんを切りひらくアート 違和感がかたちになるとき
(高橋瑞木)

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「 あなたのお仕事はなんですか?」

会社員、学生、主婦/夫などいろいろな答えがある中で、はっきりした条件や定義がない「アーティスト」というのはイメージが難しい仕事のひとつかもしれません。アトリエにこもって作品を作る画家や彫刻家のような人を想像する方も多いでしょう。



しかし、複合文化施設「水戸芸術館」(茨城県水戸市)の現代美術ギャラリーで学芸員を務める著者が、本書で紹介するアーティスト8人は、それとはちょっと、いや随分違っています。

エベレストに登頂して写真を撮る冒険家でもある写真家、ホームレスの人々ともに暮らし、街の余った食べ物を集めて料理をふるまう活動家のようなアーティスト、車体にみんなの夢を書いたワゴン車で日本を回り未来への希望を叫び続ける現代芸術家ならぬ「未来芸術家」――。

いずれも今活躍されているアーティストに子供の頃や出身地の話から始め、創作の動機や作品に込めた思いをインタビューで掘り起こしていきます。



そこで主に語られるのは、彼らの美術の枠を飛び越えたユニークな活動の背景にある社会や自分自身に対する問題意識です。

私たちは、そもそもなぜ生まれたかも分からない。日常生活の中では、人々の自由が制限される出来事、人と人が分かり合うことの難しさなど、個人的なものから社会的なものまで、大小いろいろな疑問や葛藤が生まれてくると思います。しかし多くの人は忙しさや面倒くささなどから、考え続けることを意識的、無意識的にやめてしまう。しかし、アーティストが違うのは、それらに自分なりの問題として向き合い、考え続けていることです。そして、常識にとらわれず、状況を敏感に察知します。「アート」と違う活動をしているように見えるアーティスト達は、実はそういった「違和感」を作品や場を作り出すことによって可視化したり、私たちに体験させたりすることで、新たな価値観やものの見方、考え方を与えてくれます。それこそ「アート」が持つ力なのです。


私が現代美術を好きなのは、同時代を生きるそういった挑戦を続ける人たちの生き方を、作品や行動を通じて学ぶことができるからです。
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by parttimeart | 2014-12-12 04:06 | Book

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